京都大学大学院理学研究科化学専攻

物性系

最近の研究より

インジウム単原子層金属の構造と相転移

 半導体シリコン基板(Si(111)面)の表面にインジウム(In)を1~2層程度吸着させると、様々な表面超構造が形成されることが知られています。最近、私たちは、これまでマクロスケールの試料作製が困難であった”√7×√3-hex”と呼ばれる構造の試料作製法を確立し、それが原子1層分の厚さしかない“究極に薄い”金属であることを明らかにしました(J. Phys.: Condens. Matter 30, 365002 (2018))。

 この単原子層金属の性質をより深く知るために、原子構造を詳細に調べたところ、インジウム吸着層が従来の想定よりわずかに縮んだ一軸性不整合構造(下図参照)であることがわかりました。さらに、この単原子層金属を冷却すると250 K以下で金属から絶縁体へと転移することも明らかにしました (Phys. Rev. B 100, 115428 (2019))。

 単原子層における金属-絶縁体転移は大変興味深い物性であり、構造解析や電子状態計算などから、そのメカニズムの解明を目指しています。


構造モデル:濃青色で示したインジウムは、シリコンとの結合が弱いため浮き出ており、直線鎖(L)とジグザグ鎖(Z)を形成します。このLとZは、インジウム吸着層のわずかな縮みの結果、不規則に繰り返されます。

※表面超構造:表面近傍の原子が、結晶内部とは異なる周期で並ぶことで生じる表面特有の構造。

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