大学院進学・編入を考えている方へ
修士課程進学を考えている方へ
当研究室は固体表面を主な研究対象にしています。研究分野を大きくわけると、表面の相転移・スピン物性など、物性物理と物性化学の境界にひろがる領域(有賀、八田)と、表面の振動分光や単分子操作から単分子分光さらに単分子エレクトロニクスへと繋がる領域(奥山)からなります。いずれも、近年、目まぐるしい展開を続けている、活気のある研究分野です。
これまで修士課程に進学してきた学生は、化学系が2/3、物理系が1/3程度の割合です。他大学出身者は2割程度で、そのうち修士を経て博士課程に進学した人も多数います。学際的色彩の強い研究分野なので、学部での専攻が何であれ、それを生かした上で新しい知識や考え方を積極的に吸収する意欲のある方に向いていると思います。単に机上の学問としてだけではなく、実際に自分の手を動かしながらよく考えよく学ぶことにより、実験データの意味を徹底的に追求する姿勢が求められます。
修士課程1回生は、新しく学ばなければならないことが多く、学部時代の受動的な姿勢のままだと苦労することもあります。しかし、自分で考えることを通してその山を乗り越えると一気に視界が広がり、修士2回生では「自分自身で研究すること」の深い喜びを噛みしめることができるはずです。早い人だと修士1回生の9月、遅くても修士2回生の9月には、学会デビューすることになるでしょう。学会は、日本物理学会(領域9、領域5など)を中心に活動しています。日本表面科学会などで発表することもあります。
卒業後の進路としては、主に電気・メカトロニクス・材料関係のメーカーへの就職が多いようです。
博士課程進学・編入学を考えている方へ
当研究室は、日本の表面化学の中心研究室の一つとして、多くの優秀な研究者を送り出してきました。現在の表面化学、表面物理、ナノ科学分野の指導的立場にいる研究者が多数います。われわれは、単に先端研究を推進することだけではなく、将来の表面化学・表面物理・ナノ科学関連分野を背負って立つ若手研究者を育成することが、重要な使命であると考えています。
当研究室の研究は物性化学、物性物理、応用物理等の境界に位置する学際的分野です。修士課程において表面物理や表面化学を専攻した方はもちろん、固体物性、分子分光等の基礎を身につけている方であれば、3年間でしっかりとした成果を挙げ、自立した研究者に成長することが可能です。博士課程では、研究テーマは、たんに他人から与えられたものではなく、自分自身のものとしてよく咀嚼し、戦略をたてて研究を進めることが大事です。成果が出れば、国外の学会等にも積極的に参加する意欲が必要です。幸いなことに、表面科学、ナノサイエンス関係の若手研究者のニーズは高く、能力さえあれば大学等研究機関のアカデミック・ポスト等への道が開かれています。
スタッフと学生のコラボレーションを重視することから、同時に多数の博士課程学生を受け入れることはしませんが、意欲のある方は、躊躇せずにまずはスタッフにご相談ください。充分に相談したうえで適切なアドバイスをすることができると思います。(博士後期課程編入試験の願書受付は毎年1月にあります。)
最近の大学院(修士、博士)修了者の主な就職先
(大学・国立研究機関・地方公共団体) | (企業等) |
大阪大学 京都大学(2名) 分子科学研究所 東京大学 宇都宮大学 東北大学 理化学研究所(2名) 産業技術総合研究所(2名) 国立印刷局 科学技術振興機構 福井県庁 Friz Haber 研究所 Max-Planck 研究所 SOLEIL 放射光研究所 その他 | 日本電気(2名) 日立製作所(4名) 日立SC ルネサス エレクトロニクス 日本IBM 松下電器産業 三菱電機 ローム 東京エレクトロン 富士ゼロックス キヤノン ニコン キーエンス 村田製作所 TDK JX金属 神戸製鋼 (2名) コベルコ科研 日本電気硝子 スミロン デンロコーポレーション 日本パーカライジング バッファロー NTTデータジェトロニクス JR東日本 日産自動車 NTN 河合塾 福岡銀行 日本生命(2名) みずほコーポレート銀行 ユニリーバ・ジャパン マッキンゼー・アンド・カンパニー その他 |